その他:自転車問題:世界の自転車交通事情から

 

まず、世界の自転車交通事情を調べてみました。

 

AMBクラブ OHmakiというホームページの関係資料:無法化してしまった日本の自転車に簡潔にまとまってありました。北米、南欧、北欧とも自転車は車両とみなされ、車道を走ることになっています。日本においては歩道を自転車が走行することがかなり一般的でしたが、これは世界の非常識ということがよくわかります。このなかで南欧の項では「自転車は他の車両と同等、交通方法も特に区別はない。そう、自転車は自動車と全く同じルールで通行している。」となっています。

 

またシカゴ市のホームページの中に自転車の交通ルールを示したページがあります。英語がわからない方でも図がわかりやすいので理解できると思われます。これを見るとアメリカでは自転車の二段階左折(日本だと右折ですが)もないようで、完全に自動車・バイクと同じ動きになるようです。このこと自体は国際条約に則した内容のようです。国際法上では二段階右折(国によっては左折)は国内法でそのような選択をしても良いとなっており、どちらかと言えば例外的な扱いですが、日本の方式も国際法上許容されているというのが実態です。アメリカで二段階左折(日本での右折)が選択されているのは常時右折(日本での左折)可能な交差点が多く、二段階左折しようとしても待機する場所がないなどの理由もあるのかもしれません。しかし、アメリカの街中では自転車をあまり見ません(少なくとも日本ほど多くないように思われます)。これには自転車走行時の恐怖感などいろいろな問題があるのではないかと思っていますが、とにかく自転車と自動車が区別されていないということです。アメリカ人やカナダ人に聞いた話では自転車も信号待ちのときは自動車と同じ車列で並ぶということでしたが、このように自転車と自動車の区別がないので、自然とそのような状態になるのでしょう。またいろいろと調べていると欧米では自転車に対しての取り締まりも日本以上に徹底しているようです。権利は認めるが、そのための義務(法律の順守)も果たせということでしょう。先ほどのシカゴ市の自転車の交通ルールを示したページには駐車車両との間に最低4フィート(約1.2m)の間隔(Door zone)を空けて走るようにと記載されています。これはもちろん駐車車両のドアが開いた際の事故を予防するためです。このように自転車側にも事故の予防をはっきりと求めている点にもこの姿勢は象徴されています。事故の予防はお互いの注意が必要なので当然と言えるでしょう。
 
このような状況であったからこそ、自転車の車道走行の危険性を認識したヨーロッパの国々は自転車専用道路や専用通行帯を発展させていったのだと推測されます。正しい認識が元になっていたからこそだと考えます。日本のような中途半端な認識では自転車専用道路や専用通行帯の発展は期待できそうにありません(一部で形だけ行っているようですが)。路肩は本来走行するための場所と考えられておらず、そのため路肩にマンホールがあったり、落ち葉やゴミがあったりと危険な場所になっています。そのような場所を自転車だから多めに見てあげようと言われても困ります。整備にお金がかからないので行政的にはそれで良いかもしれませんが。

 

自転車を普及させるべきと思われている方は専用通行帯として整備させるように働きかけるべきでしょう。そうなればより安全に走行できるようになります。

 

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