バイクすり抜け問題:法律から見て:車間距離不保持

 

 同一車線内で先行車両の側方を通過することは「追い越し」ではなく「追い抜き」だという意見を聞きます。本当にそうでしょうか。追い抜きのページで述べましたが、この行為は「追い越し」にあたります。同一車線内で追い抜きと見なせるのはバイク同士やバイクと自転車の場合くらいではないでしょうか。このため先行車両に追い付いた場合は安全な車間距離を取ることが求められます。先行車両の前に行きたい場合は適切な車間距離をとった状態から追い越しを始めることになります。ですからバイクで良く見かける、先行車両の後ろにぴたりとつく行為は車間距離不保持になりますし、その状態から追い越していく行為は追い越しの仕方の違反となります。

 

 すり抜けの場合も適切な車間距離をあけた状態で見れば、追い抜きの車両とは到底みなせません。先行車両はいつもまっすぐ走っているわけではありません。急な人や自転車などの飛び出しなどで急ブレーキすることやハンドルを切ることは十分考えれらます。また不注意に右折左折するかもしれません。このような場合にも対応できるように車間距離を取ることが求められているのです。現在の道路事情で車間距離を適切に取ることは難しいところがありますが、事故を起こせば車間距離をとっていなかったことにも責任が生じます。車間距離を詰める場合はその覚悟が必要です。

 

 

道路交通法

第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

 

 

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